どうもgenki(@yuruwork)です。
一時期、色々な意見が飛び通ってしまい、物議をかました「アメリカン・スナイパー」
監督は有名すぎる「クリント・イーストウッド」監督が携わっている。この時点で映画の良さが伝わってくる。
クリントといえば、メッセージ性が強い作品を世に出し、どれもするりと見れるような映画ばかりだからだ。
するり、という意味は手軽という意味ではない。その真逆の重い作品なのだ。
映画の中でも「まだかな~」と時間を気にしてしまう映画があるが、これは違う。いつの間に、あれもう終わっちゃうの? と思ってしまうほど濃厚です。
むしろ、3時間でも良かったぐらい濃密で、ちょっとしたシーンにもストーリーが描かれている。
※ネタバレあり
アメリカン・スナイパーの魅力とは
アメリカン・スナイパーの良い所を紹介しよう。
様々な意見がありはするが、素晴らしい作品であることは間違いない。何故なら、伝えたいことを凝縮しているのだから。
それが間違いでも正しいことでも、監督が伝えたいことが詰まっている作品というのはある意味「猛毒」みたいなもの。
見ている側がその猛毒に耐えられるか、それとも受け入れるかは人それぞれであり、物議をかますということはそれほどメッセージがちりばめられていたということでもある。
メッセージ性

さっきからメッセージ、メッセージとストーカー行為のようなウザさがあるが、何度も言いたいから使っています。
まず、主人公である「クリス・カイル」は幼い頃、狼になるか、羊になるか、それとも羊を守る番犬になるかを父親から教えられていた。
そのきっかけは、弟のいじめから発展し、この問題になった。そして、クリスは言うのだ。「僕は羊を守る番犬になる」と。
父親はそれに納得はしたが、「決して羊になるな!」と強く念を押していた。これが、のちのちのメッセージになるとは思いもしなかった。
それから、彼は厳しい訓練に耐え抜き特殊部隊シールズに入隊。狙撃手の腕があったので、スナイパーとして戦場に立ち、最初に相手にするのが子供とその親と思われる母親を撃つ。
僕はこのシーンを見て、意外に思った。戦場のスナイパーは容赦なく、そして心そのものがないと。だから、自分や仲間を守るためなら容赦ないし、誰でも撃つと勝手ながらに思っていた。
しかし、クリスはそうではなかった。入隊間もないから、という理由もあるかもしれないが「くそっ!」と子供を撃ったことが自分の中でいけない物事だと悔やんでいた。
だから、「伝説のスナイパーにも心がある」のだと少し安心してしまった。
けど、どんどん彼にも戦争という病気が襲いかかってくる。恋人である「タヤ・カイル」はそれを察し、こういった。
「あなたには心がない。そう思っていないでしょうが、戦争はあなたを変えた」と。
戦争から帰ってくる人には、自殺者や精神的ストレスによって、病気になる人が多いんだそうだ。彼もまたその一人。
戦争は怖い。心を変えてしまうのだから。
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「無敵」ではない
レジェンドとして、スナイパーとして戦争に参加していると、ある事を言われます。僕はこの言葉に怖さを知った。
「お前(クリス)がいれば俺らは無敵だ」これはある一人の隊員が放った言葉だが、少々うろ覚えなどで台詞が合っていないかもしれないが、ご了承ください。
その後、クリスがこういうのだ。「俺は無敵じゃない」
「そりゃそうだろww」と笑われそうですけど、ここにも戦場の怖さが伝わってくる。隊員からしてみれば、伝説のスナイパーであるクリスがいると、無敵に感じるのだ。
確かに、クリスは狙撃手の腕は凄く、どんどん人を殺しては隊員を救っている。隊員からしてみれば、英雄や伝説と思われてもしょうがない。
私的に、これはいけないことだと感じる。一種の責任転嫁のような気がしてならない。戦場で死ぬ数は数え切れないし、スナイパーがいても勝てない戦がある。
だが、隊員は無敵だと思っている。クリスはこうも思っただろう。「俺はこの戦争に欠かせない一人なのだろうか?」と。
まぁ、本人がいないから分からないが、客観的に見たらそう思うかも。頼られていると勘違いし、戦争という毒に侵されているのだと。
それでもクリスは敵を排除しなければならない。ここで、ある事を思い出して欲しい。
クリスは狼? それとも羊? それとも…

さっき言っていたことを思い出そう。
クリスとその弟「ジェフカイル」は父親に言われていた。狼になるか、羊になるか、それとも羊を守る番犬になるかを。
では、戦争に出向き、相手国のイラク人を構わず殺しているのは狼なのか? 少なくとも羊ではないでしょう。
じゃあ、羊を守る番犬?
僕は「狼」になっていたと考えています。考えてもみてください。何の罪もないイラク人が殺害されたり、扱いが酷かったりしていましたよね。
子供すらも撃っていますからね。羊という立ち位置の子供でさえ、あんな風になってしまいましたし。
イラク人から見たら、アメリカ人は「悪魔」。アメリカン人から見たイラク人は「テロリスト」であるのかな。お互いが憎み合っていて、負の連鎖でしかない。
そして、戦争から帰ってきたら、精神的におかしくなっている人もいる。戦争は何も生まない、というのは間違いではない。真実であり、決してやってはならぬ事柄なのでしょう。
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まとめ
何を教えてくれるか、それは価値観だと僕は思いました。
人はそれぞれ様々な価値観を持っています。戦争に対する価値観、人生の価値観、憎しみという価値観など。
色んな価値観が空中に飛び通っています。しかし、戦争とは恐ろしく、価値観そのものをぶっ壊します。
世界が平和になれる日はないでしょう。だって、この作品が批判され、反日デモみたく扱われたりしていますし。
人の価値観は時に残酷になって、他人の価値観を歪まされる。怖いものです。今や、ネットがそれを示しています。
僕の言葉を信じてしまう人、信じない人。ただ、僕はこう思う。価値観はそれぞれであることが良いのであり、それを歪ませるのは許しがたい行為だと。
そういえば、「映画づくりで大切にしているのは、常に正直であること。そしてドラマに込めた真実だ」とクリントは言っていました。
やはり、創作ものはそういった揺るぎない自分の信念や理念が必要で、それを作品に取り入れることで「メッセージ性が強い作品」になるのかもしれないね。
だから、言う。ピカチュウは可愛い。
では。